Type of Service

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asterisk-1.4.23.1のソースに添付されているip-tos.txtを
意訳したものです。

TOS(トス Type of Service)について

Asteriskは、様々なプロトコルの内容に応じて、パケットの扱いに差をつけることができます。
トラフィックの負荷が高い時でも、IPパケット中のTOSフィールドを設定することにより、
音声用のパケットを優先して送信することができます。

SIP

sip.conf中には3つのパラメータがあり、これらの値がTOSフィールドを制御しています。

tos_sip

tos_sipパラメータは、SIPのシグナリング(発着呼)パケットを制御しています。

tos_audio

tos_audioパラメータは、音声(RTP)パケットを制御しています。

tos_video

tos_videoパラメータは、RTPビデオパケットを制御しています。

IAX2

iax.confに記述する"tos"パラメータは、IAXパケット(音声パケット、発着呼全て)の優先順位を決めるパラメータとなります。
IAXパケットの中には、発着呼制御パケットと音声パケットが同一のUDPトラフィックとして流れているため、
それぞれを別個に扱う事ができないからです。

IAXy

iaxprov.confには、IAXy用の"tos"パラメータがあります。
このパラメータも、前述のiax.conf用の"tos"パラメータと同様、IAXy機器一個全体(IAXyとやりとりするパケット全体)に効果が及びます。
ただし、IAXy機材別に違うToS値を設定することが出来ます。

設定可能な値

tosパラメータとしてnumeric型(数値)を指定します。
下記の値を設定することが出来ます。

  • CS0 ~ CS7
  • AF11 AF12 AF13
  • AF21 AF22 AF23
  • AF31 AF32 AF33
  • AF41 AF42 AF43
  • EF(Expedited Forwarding)

推奨設定

設定
ファイル
パラメータ 推奨値
sip.conf tos_sip cs3
sip.conf tos_audio ef
sip.conf tos_video af41
iax.conf tos ef
iaxprov.conf tos ef

非推奨設定

推奨されませんが、下記のような設定も可能です。

  • lowdelay
  • throughput
  • reliability
  • mincost
  • none

これらの値はRFC 791および RFC 1349にて規定されている値ですが、
IPパケットの優先順位を決める値としては時代遅れとなっており、
今後のAsteriskのバージョンでは削除されるでしょう。

Asteriskとネットワークについて

Asteriskサーバーで設定したTOSパラメータを最大限に活かすには、ルーターやスイッチ等でも確実にToSやoSを扱えるようにするべきでしょう。
Cisco製ネットワーク機器の設定については、QoS Solution Reference Network Design Guideを参考にしてください。
YAMAHAルーターの場合はDiffServベースQoSページが参考になります。

参考資料

RFC 2474
IPv4,IPv6でのDSフィールドの定義
Differentiated Services Field Codepoints
IANAが定めたDSCP値に関する文書