Asterisk 1.8
Asterisk 1.8.0が2010年10月21日(現地時間)リリースされました。
LTSなので、今後は1.8系を使うことが推奨されるものと思われます。
目次
概要
Asterisk 1.8は最新のAsteriskのメジャーリリースで、Asterisk 1.4同様にLTS(Long Term Support:通常4年)になります。Asterisk 1.8のEOLは2015年10月が予定されています。
Asterisk 1.6系は2012年4月で終息(1.6.2系)するため今後、新しいバージョンのAsteriskを導入する場合には、1.6系ではなく1.8を検討してください。
Asterisk-addonsは1.8系からAsterisk本体に統合されています。
注意点
以下のモジュールは廃止予定になっているので特に注意してください。
- アプリケーション
- app_meetme -> app_confbridge
- app_setcallerid -> func_callerid
- app_dahdibarge -> app_chanspy
- app_readfile -> FILE() in func_env
- チャネル
- chan_h323 -> chan_ooh323
- CDR
- cdr_sqlite -> sqlite3_custom
- アドオン
- app_mysql -> func_odbc
- app_saycountpl -> say.conf
- cdr_mysql -> cdr_adaptive_odbc
特にMySQL関係(app_mysqlやcdr_mysql)は影響が大きいので注意して下さい。
インストール方法
まず最初にDAHDIをインストールしてください→DAHDIインストール
前提となるパッケージ類
GCC、G++(GNU-C++)、OpenSSL、Ncurses、bison、カーネルソース(zaptel)、libxml2
CentOS 5.5 サーバインストールの場合、以下のパッケージ追加でコンパイル可能でした。
パッケージを追加
yum install gcc gcc-c++ kernel-devel ncurses-devel openssl-devel libxml2-devel
openssl-develをインストールするとkrb5-devel,zlib-develも一緒に付いて来るので別途インストールの必要はありません。
format_mp3など、一部のソースはAsteriskに含まれないため別途入手しますが、この際にSubversionが必要となりますので、Subversionも入れておきます。
yum install subversion
システムを最新の状態にアップデート
yum update
カーネルが更新された場合にはリブートしておきます。
以上でインストール環境は整ったはずです。
事前にDAHDIをインストールするために環境を整えた場合にはgcc-c++とopenssl-develの追加だけでコンパイル可能になるはずです。
ソースの入手
Asterisk 1.8のソースは以下からダウンロードできます。
http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/
展開するディレクトリはどこでもかまいませんが、ここでは/usr/src/とします。
# cd /usr/src # wget http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/asterisk-1.8.0.tar.gz
入手したら展開しておきます。以降それぞれの作業は、それぞれの展開したサブディレクトリで行います。
# tar zxvf asterisk-1.8.0.tar.gz # cd asterisk-1.8.0
Asteriskのコンパイルとインストール
基本的にconfigureしてmakeするだけです。
# ./configure # make # make install # make samples # make config
これで新規インストールは完了します。最後の make config で起動時に自動起動するようになります。
なおAsteriskでもmake menuselectがサポートされておりコンパイルするモジュールを選択したり組み込むモジュールを選択することができるようになっています。
MP3を使用する場合の注意
MP3関連(MoHなど)を使用する場合には、MP3系のソースはAsterisk本体に含まれていないため、コンパイル時にエラーになりますが、ソース入手のスクリプトが付属しています。
# ./contrib/scripts/get_mp3_source.sh
これを実行すればMP3関連のモジュールがコンパイルできるようになります。
日本語パッチの適用
Asterisk パッチのページを参照して、汎用パッチを適用してください。当サイトで提供している日本語音声ファイルに対応します。
なお、パッチを適用するのは、パッチを行わない状態でコンパイルが正常に終了することを確認してからにしてください。安全のためです。
パッチを適用した後は再度、make、make installを行います。
日本語音声ファイルのインストール
Asterisk 1.8用の音声ファイルは現在用意していないため、1.6用のものを使用します。ファイル・レイアウトが1.6から採用された新レイアウト対応になっているためです。
- Asterisk 1.6系列用βテスト中
ftp://ftp.voip-info.jp/asterisk/sounds/1_6/asterisk-sound-jp_16_pre.tar.gz
http://ftp.voip-info.jp/asterisk/sounds/1_6/asterisk-sound-jp_16_pre.tar.gz
Asterisk 1.6より日本語の言語コードを変更しました。このためAsterisk 1.8でもlanguage=jaが日本語の設定となります。
このファイルを/var/lib/asterisk/soundsの下に展開します。ja/ 以下が日本語音声ファイルです。
すればjp/で全ての日本語音声が展開されます。
このレイアウトを使用するには/etc/asterisk/asterisk.confに以下のように[options]セクションにlanguageprefix=yesを追加して使用します。
[options] languageprefix=yes
各チャネル(SIP,IAX等)でチャネル言語を設定するには以下のように記述してください。
language=ja
サンプル設定ファイル
Asteriskに標準添付されている設定ファイルは複雑なため、わかりにくくなっています。シンプルな設定ファイルを見てみたいという場合にはAsterisk サンプル設定ファイルを利用してください。簡単にシステムを立ち上げることができます。 make samplesを行った後に、次のようにしてサンプル設定ファイルを展開します。
# cd /etc # mv asterisk asterisk.bak # mkdir asterisk # cd asterisk # wget http://ftp.voip-info.jp/asterisk/conf/conf-sample-1.6_01.tar.gz # tar zxvf conf-sample-1.6_01.tar.gz
使い方はAsterisk サンプル設定ファイルのページを見てください。
Asterisk 1.8.4 以降の注意点
Asterisk 1.8.4以降ではDigiumのライセンス商品(Fax,Skype,G.729など)の取り扱い方が変わっているようで、旧バージョンのものを使い続けることが出来ないようです。ライセンスの認証時にモジュールがハングアップするようで、中途半端にAsteriskが起動されてしまい正しく動作しません。
このため1.8.4以降のAsteriskをインストールする際には
- 各モジュールをDigiumからダウンロード/インストールしなおします
- Asterisk 1.8.4以降用のモジュールが用意されています
- registerでライセンスを再取得します
次のステップ
メモ
設定ファイル変更点
アプリケーション
日本国内対応
パッチ
- ひかり電話ホーム対応(RT-200系用)
- 音声関係
- http://ftp.voip-info.jp/asterisk/patch/1.8.0/
- とりあえず作成。音声ファイルは1.6のもので使えるが、内容の整合性については未検証。
- ナカヨ電話機対応