Voyage Asterisk
VoyageはDebian派生のためaptでAsteriskを入手できますが、バージョンが古いものしかないこととCF向けに調整されていません。そこでVoyage用のAsteriskを用意しました。
まずはVoyage Linuxのページを見て、Voyage Linuxをインストールしてください。Voyage Linuxが動作する環境であれば、Microclient JR以外のマシンでもこのAsteriskが動作すると思います。
なお当然ですが起動した後はroマウントされていますので、入手や展開などはremountrwを実行してから行います。
グループとユーザの登録
"asterisk"で動作させるのなら、グループとユーザを登録しておきます。UID,GID=5060は趣味です :)
# groupadd -g 5060 asterisk # useradd -g 5060 -u 5060 -d /var/lib/asterisk -s /sbin/nologin asterisk
Zaptel
ftp://ftp.voip-info.jp/asterisk/voyage/zaptel-1.4.3_voyage.tar.gz
ルートディレクトリで展開してください。
展開したならばdepmod -aとldconfigを実行しておいてください。
udevの関係でAsteriskをユーザ:asterisk、グループ:asteriskで実行する場合にはファイルの調整が必要です。
/etc/udev/permissions.rules のzaptelのエントリを以下のように修正します。
SUBSYSTEM=="zaptel", GROUP="dialout" ↓ SUBSYSTEM=="zaptel", OWNER="asterisk", GROUP="asterisk"
修正した後は /etc/init.d/udev restart でudevデーモンを再起動しておきます。
Asterisk
ftp://ftp.voip-info.jp/asterisk/voyage/asterisk-1.4.5_voyage.tar.gz
日本語音声対応済み、ひかり電話のRT-200NE対応パッチ適用済みです。入手したならばルートディレクトリへ展開してください。
デフォルトで入っている設定ファイル類はAsterisk サンプル設定ファイルの1.4用に準じますが、asterisk.confのastrundirが/var/run/asteriskに変更されています。
Asteriskを動作させるにはパッケージの追加が必要です。
# apt-get install libstdc++5
を実行してください。
再起動するか/etc/init.d/asterisk startで起動するはずです。
CFのROマウントから起動するため、/var/spool/asteriskや/var/log/asteriskはtmpfs上にあります。そのまま使い続けるといずれメモリ不足で落ちるはずですので注意してください。
AsteriskのログはSyslogに頼っています。Asterisk自体ではログを吐かないため、ログを確認する際には/var/log/messagesを見てください。ログもtmpfs上なので継続使用には注意します。Syslogを別なマシンに飛ばすなどすれば良いでしょう。
- 別パーティションの使用
Asterisk用に別なパーティションを作成するか例えばUSBメモリのような外部ストレージを使ってマウントしておくと、自動的にそれを使用します。設定の手順は以下の通りです。
- fdisk等でパーティションを作成し、mkfsします。tune2fs -c 0 <デバイス> でチェックを無効にします。
- /asteriskというディレクトリを作成します
- /etc/fstabに次の1行を追加しておきます。
/dev/hdb2 /asterisk ext2 defaults,noatime,rw 0 0
- 実行ユーザの変更
/etc/init.d/asteriskスクリプト内のAST_USERとAST_GROUPのコメントを外してください。ディレクトリパーミッション等も自動的に適切に調整される(はず)です。
インストール後の状況
1GBのCFを使用しルートとして600MB程度を割り当てた場合のディスク使用量は概ね次のようになっています。
voyage:/# df -H Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on rootfs 600M 165M 405M 29% / udev 11M 29k 11M 1% /dev /dev/hdb1 600M 165M 405M 29% / /dev/hdb1 600M 165M 405M 29% /dev/.static/dev tmpfs 61M 0 61M 0% /lib/init/rw tmpfs 61M 4.1k 61M 1% /dev/shm tmpfs 8.4M 435k 8.0M 6% /rw
chan_cellphone
実はBluetoothドングルを挿せば携帯ゲートウェイとして動作するようにしてあります。なお、このAsteriskに含まれるのは現在のtrunkのadd-onではなく、Asterisk 1.4.4用のchan_cellphoneです。
まずaptでbluetoothを持ってきます。
# apt-get install bluetooth
余計なものを結構引きつれてくるので、ディスクの消費を抑えたい人は依存無視してホゲってください。
/etc/bluetoothのhcid.confの以下の箇所を修正します。
# Security Manager mode # none - Security manager disabled # auto - Use local PIN for incoming connections # user - Always ask user for a PIN # security auto; <-- autoにする
# Default PIN code for incoming connections passkey "1234"; <-- passkeyは自分で設定
/etc/init.d/bluetooth restartでbluetoothを再起動します。エラーが出ますが無視してかまいません。
次にhcitool scan を実行して、使用する電話機のアドレスを調べてメモしておきます。この後、電話機側からの操作でペアリングを行い、設定したパスキーを入力します。認識されたならば"認証済み"にし、自動接続を許可しておきます。
Asteriskの設定は、まずmodules.confのnoload=>chan_cellphone.soをコメントアウトしてください。
次にcellphone.confに以下のようなエントリを追加します。
[NokiaE60] address=アドレス port=28 context=cell-in type=Phone
ノキアの場合、ヘッドセットプロファイルで入るにはport=28に設定しないとダメなようです。他の電話機は・・ちょっとわかりません。
設定が完了したならばAsteriskを再起動します。reloadでは不十分です。/etc/init.d/asterisk stopで停止し、startしなおしてください。
これで携帯がFXOになるはずです。テクノロジはCELLでCELL/デバイス/番号で発信できます。上の例では
CELL/NokiaE60/0312345678
を指定すると発信できます。着信はsエクステンションに対して行われますので、適切なコンテキストを作成してください。