Skype for Asterisk
Skype for Asterisk(SFA)
Digium純正のAsterisk用Skypeチャネル。
価格: Digium オンラインショップで $66/チャネル (G.729コーデック 1ch分の料金を含む)
目次
要件
Asterisk 1.4.25以上
Asterisk 1.6.0.6以上
Asterisk 1.6.1.5以上
購入
インストール
プロダクトの登録
まず、登録用のソフトregisterをダウンロードします。登録は使用するマシンのNICに基づいて行われるため、使用するAsteriskをインストールしたマシン上で行います。Linuxの場合には、wgetなどで入手するかと思いますが、その際にはchmod +x registerして./registerを実行してください。この時に、購入時に送られてきたキーが必要となります。
Digiumの他のプロダクトもそうですが、ライセンスキーは /var/lib/asterisk/licenses/ に保存されます。このファイルは
- S4A-xxxxxxxxxxxx.lic
のようなファイル名で、S4Aがプロダクト(Skype4Asterisk)です。G.729ならG729-のようなファイル名になります。
このファイルは大切なライセンスファイルなので、バックアップしておくことをお勧めします。
インストール
ソースファイルを入手した場合には、makeしてmake installするだけです。Linuxの場合、32bit用と64bit用が別に配布されているので注意してください。
chan_skype.so res_skypeforasterisk.so のふたつがAsteriskのモジュールとしてインストールされます。
設定
注意
Skype for Asteriskで使えるSkypeアカウントは、Skypeビジネスコントロールパネル(BCP)で管理されているアカウントだけです。単に登録しただけのSkypeアカウントは使用できないので注意してください。
既存のSkypeアカウントがあればBCPに登録することができます。
chan_skype.conf
ソースを展開したディレクトリに chan_skype.conf.sample というファイルがありますので、これを編集するか、以下を参照して設定ファイルを作ってください。
[general]セクション
[general] engine_directory=/var/lib/asterisk/skype default_user=Skypeログイン名 bind_address=IPアドレス bind_port=ポート番号 disable_tcpauto=yes
- engine_directory
- Skypeエンジンが使用するテンポラリディレクトリを指定します。デフォルトでは/tmpです。
- 上記の例では /var/lib/asterisk/skype を使用しています。この場合にはディレクトリを作成し、chown asterisk:asterisk /var/lib/asterisk/skype を実行しておいてください。
- default_user
- デフォルトで使用するSkypeのログイン名を指定します。
- bind_address
- SkypeがlistenするIPアドレス(サーバの)を指定します。デフォルトでは全てのIPアドレスですが、複数のインタフェースを持つAsteriskマシンの場合には明示的にIPアドレスを指定します。
- bind_port
- このポート番号の設定は少し注意してください。デフォルトではこの値は、あくまでも「ヒント」として使用されるだけで、Skypeエンジンは空いているポートを自動的に使おうとします。
- disable_tcpauto
- デフォルトはnoに設定されています。デフォルトの設定では、Skypeエンジンは「適当な空いている」ポートを自動的に使います。サーバ機などで明示的にポートを指定したり、ファイアウォールでポートを特定する場合にはbind_portを指定し、このdisable_tcpautoをyesに指定します。
[ユーザ]セクション
Skypeログイン名に対応するセクションを作成します。
[Skypeログイン名] secret=パスワード context=skype-in exten=s disallow=all allow=ulaw,g729 direction=both auth_policy=accept buddy_autoadd=buddies,hints buddy_presence=yes
- []セクション
- Skypeのログイン名を指定します。
- secret
- Skypeのログインパスワードを指定します。
- context
- このセクションが使用するコンテキストを使用します。この例ではskype-inとしています。
- exten
- コンテキスト内の着信extenを指定します。デフォルトはユーザ名です。
- disallow, allow
- 他のチャネル同様に使用できるCODECを指定します。指定できるCODECはulaw,alaw,g729のいずれか、またはその組み合わせです。G.729 1チャネル分のライセンスはSFAに含まれています。
- direction
- このユーザが発信、着信、またはその両方が使用できるかを制限します。incoming, outgoing, both のいずれかを指定します。
- auth_policy
- 相手を認証するポリシーを指定します。上の例では全て自動認証します。
- accept:Skype名 を指定すると、指定された相手は自動認証します。
- buddy_autoadd
- 相手を自動追加するかどうかを指定します。デフォルトは no です。プレゼンス情報を用意に扱うために、ここにはbuddiesまたはhints、あるいはその両方を指定することができます。
- buddy_presence
- 相手のプレゼンス情報の扱いを指定します。
extensions.conf
上記の例をもとにextensions.confの記述を簡単に説明します。
- 着信
- 上の例ではコンテキストをskype-in、extenを s としましたので、以下のように書きます。
[skype-in] exten s,1,Dial(SIP/201)
このように記述すると、Skypeからの着信はSIP/201に接続されます。
- 発信
Dial(Skype/自分側の名前@相手の名前)
自分側の名前は[ユーザ]のセクションで指定したSkype名です。相手は発信したいSkypeユーザの名前です。Asteriskは番号体系で動作していますが、Skypeは名前で動作してるため、これらの間のマッピングはextensions.conf内で行います。例えば
exten => 123456,1,Dials(Skype/my_name_of_skype@buddy_name_of_skype)
のように記述し、番号と名前を紐付けてダイヤルします。
exten => 123456,1,Dial(Skype/buddy_name_of_skype)
このように記述した場合には、.confで指定したデフォルトのユーザ名が発信元になります。