PoE
Power Over Ethernet のこと。
Ethernetの配線を使用して電源を供給する技術。最大で48V 15.4Wを供給することができる。
以下の2つの方式がある。
- Type A(オルタナティブA)
- データ線と電源線を共用(1,2,3,6ピン)する方式
- Type B(オルタナティブB)
- データで使用されていない空き線(4,5,7,8)を使用する方式
2003年6月にIEEE802.3afとして規格が標準化されたが、それ以前の機器ではローカル規格のものがあるので注意を要する。IEEE802.3af対応の機器では基本的に給電側は相手がPoE対応かどうかを確認してから送電を開始し、受電側がType AなのかType Bなのかを自動判別して動作する必要があるが、古い機器(Snomの旧機種など)では空き線給電方式にしか対応しておらず802.3afハブに接続しても給電が開始されないものもある。逆に旧規格の空き線給電方式のハブに誤って非対応機器を接続すると燃える場合があるので要注意。
電源を配線することが困難/面倒な機器に最適。無線LANのアクセスポイントなどでよく使用されている。VoIPではIP電話機の電源供給に最適なため利用が進みつつあるが、PoEに対応したIP電話機とPoEハブがまだ若干高価なことからパーソナル/SOHOユースでの普及はいまひとつ。
PoEの使用はIP電話において停電対策としても向いている。個々の電話機のACアダプタ等をUPSバックアップする必要がなく、PoEハブをUPS等でバックアップしておくだけで停電対策となるため。
PoEハブ/インジェクタ
PoEで電源を供給する側の機器。ハブは電源を供給しつつハブの機能を持つもの。インジェクタとは電源を供給する機能のみを提供するもので、LAN配線の途中にはさんで使用する。これに対して受電側で機器そのものがPoEに対応していない場合にはスプリッタと呼ばれる電源と信号を分割する機器を使って接続することもできる。
バッファロー
WLE2-POE-S
シングルポートPoEインジェクタ
製品情報:http://buffalo.jp/products/catalog/item/w/wle2-poe-s/
実勢価格:3,500円前後
規格:ローカル(AirStation専用オプション)
動作実績:
- ○ Snom 105
- ○ Snom 220
- ○ Aastra 9133i
備考:
AisrStation用オプションの扱いで受電側は専用のものを使用することになっているが、いわゆる空き線給電タイプで48Vなため基本的にIEEE802.3af対応の機器で使えるはずである。
Netgear
FS108P
PoEハブ(8ポート,うち4ポートがPoE給電ポート)
製品情報:http://www.netgearinc.co.jp/products/FS108P.asp
実勢価格:15,000円前後
規格:IEEE802.3af
動作実績:
- × Snom 105 (Snom105が802.3af対応ではないため)
- × Snom 220 (Snom220が802.3af対応ではないため)
- ○ Aastra 9133i
備考:
IEEE802.3af規格準拠のPoEハブとしては比較的安価なもの。PoE給電を行えるのは4ポートだけ。なお、写真には写っていないがDC 48VのACアダプタを使用する。
参考情報
Snom 105の改造などは Snom105 のページ。