Snom220
snom technologyのIP電話。非常に安価(8800円)に出回っていました。
現在は散発的にオークションに出てくることがあるようです。
それでも、もともと高価($370)な電話機なのでまだチャンスかもしれませんね。
Snom AG
目次
スペック
- CPU:モトローラ(現フリースケール) XPC855T PowerQUICC
- メモリ: 4MB SDRAM
ファームウェア
買ったらまずファームをアップデートするべきです。現在出回っている220のファームはどうも『何か』の目的に作られたか、あるいは極端に古いかなので挙動がどうも変です。
ファームウェアのアップデートはWebのページからアップデートのところでブートローダとファームウェアのURLを入力して行います。もし管理ページに入れない場合には電話機側で管理ログオンしてください。デフォルトパスワードは"0000"です。
ファームウェアは以下のページにありますので、ショートカットをコピー&ペーストして入力するとよいでしょう。
アップデートを実行すると電話機側で『実行するか?』というダイアログが出るので"レ"キーで応答してください。
基本設定
Web設定でWeb画面も電話機もJapaneseにすると日本語で使えます。
細かい設定が色々あるので遊んでみるといいでしょう。
sip.confは現在のファームでは次のような感じで使えています。
[203] type=friend username=203 secret=pass context=default host=dynamic canreinvite=no callgroup=1 pickupgroup=1 dtmfmode=rfc2833 mailbox=203 vmexten=299 disallow=all allow=ulaw allow=alaw allow=gsm
vmextenはAsteriskがボイスメールを通知する際に<asterisk@domain.tld>で投げてくるのをasteriskの部分をvmextenに置換します。上の例では<299@domain.tld>のように投げてきます。これを設定しておくとsnom 220のディスプレイ上でメールアイコンが表示された場合にキー操作でボイスメール用のextenに飛ばすことができます。extensions.conf側には以下のように作っておきます。
exten => 299,1,VoicemailMain(s{$EXTEN})
ファンクションキー
プログラマブルなファンクションキーが5つあり、それぞれLEDを備えています。このキーの使い方がちょっと難しい(Asterisk等のPBXとの連携が要る)のですが、うまく使えばビジネス用途には最適かもしれません。なおEK1~の設定はSideCar用です。 LEDの点灯・点滅制御やキーの挙動はSIPのSUBSCRIBE/NOTIFYが使われています。
ライン
掴む、あるいは着信するSIPのラインに対応します。設定をラインにし、設定番号を自分の番号にしておくと着信時にそのキーが点滅します。たとえばレジスタしている番号がSIPの201ならば設定番号を201に指定しておくと、201に対して着信するとそのキーが光ります。
発信
要するにワンタッチダイアルです。指定した番号に対し発信します。
インターコム
対snom電話機の場合にインターコム機能を使います。インターコムモードで発信すると、相手の電話機がインターコムの使用を許可している場合には、Ringしないでオートアンサーでいきなり繋がります。
パーク保留
コールパーキングに使用します。通話中の呼をいきなりパーク保留用番号に飛ばします。
ボイスレコーダー
(未検証ですがPBXと連携しないと動かない?)
シェアードライン
よくわかっていませんが、Asteriskでは使用できないという話です。 これがどうも日本でいうラインキーのようなのですが・・・
各キーをラインとして別なSIPエンティティとしてAsteriskにレジスタし、それぞれを別コンテキスト内で走らせれば着信する回線によって別なキーを点滅させることができますが、パーク保留させるとAsteriskは全体でひとつのパークレーンしか持っていないので日本で要求されるラインキー的には使うことができません。
ラインキーっぽい使い方
ラインキー 1番に電話 のページを参照のこと。
ピックアップボタン
ピックアップがわりに使えるボタンがあると、ある所には書いてあるんですがどうも動きません。おそらくファームの差異でしょう。ファンクションキーに"発信"で"*8"を登録してしまえばピックアップボタンになります。
インターコム
インターコムモードを使うと電話機をページング(呼び出し)デバイスとして使えます。Asterisk 1.2からはPage()が実装されているのですが、この方法についてはどうも本家voip-infoやMLでも微妙に錯綜しているようです。snom 220でファーム3.56y(ALS)では以下の方法でこれが可能でした。
まずsnom 220の『詳細設定』で"Enable Intercom"を"on"にします。ただし、このモードがオンだとインターコムモードで着信すると鳴動せずに着信して盗聴器になるのでご注意を:)
Asteriskからインターコムモードで発信するには以下のようにします。
exten => 8888,1,Set(_SIP_URI_OPTIONS=intercom=true) exten => 8888,2,Dial(SIP/203)
上の例で発信するとSIP/203がsnom 220だとすると、220は呼び出しに対し、いきなり着信してオフフックします。スピーカーフォン状態になるので、そのまま会話することができます。
複数のsnom 220に対してこれを行い、呼び出しだけするのがPage()で構内拡声器的に使えるというわけです。
exten => 8888,1,Set(_SIP_URI_OPTIONS=intercom=true) exten => 8888,2,Page(SIP/203&SIP/204&SIP/205...)
Asteriskは内部的には一方通行のMeetMeを生成し、発信した側の音声を着信側に伝えます。着信した側の音声は伝送されません。
リブート
snomのリブートはAsterisk CLIから行えます。/etc/asterisk/sip_notify.confが入っていればCLIから
sip notify reboot-snom ピア名
を実行するとsnom電話機はリブートします。
sip_notify.confがない場合にはソースのディレクトリを漁ってみてください。
PoE
IEEE802.3af準拠ではありません(105も)。PowerdSineのインジェクターに対応していたようですが、モードBサポートのインジェクターなら動くかもしれません。
動いたもの
- バッファローWLE2-POE-S
- バッファローBIJ-POE-1P
動かなかったもの
- Netgear FS108P
- IO DATA POE-PS
- FXC ES1012VPE
- バッファローBSL-PS-2108M
- バッファロー BIJ-POE-4P
Snom 220 + RT-200KI
こちらで成功の模様です。