「Polycom プロビジョニング」の版間の差分
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tftp-server-nameオプションでプロビジョンサーバのURIを指定できます。FTPを使う場合には <nowiki>"ftp://user:passwd@192.168.100.1"</nowiki> のように書くことができます。ユーザ名、パスワードが指定されていない場合にはデフォルトのもの(BootROMの設定)が使われます。<br> | tftp-server-nameオプションでプロビジョンサーバのURIを指定できます。FTPを使う場合には <nowiki>"ftp://user:passwd@192.168.100.1"</nowiki> のように書くことができます。ユーザ名、パスワードが指定されていない場合にはデフォルトのもの(BootROMの設定)が使われます。<br> | ||
現在の(SIP 3.1系)挙動をみていると、DHCP時にはBootROMがまずDHCPリクエストでIPアドレスを取得し、アプリケーション(SIP)が起動した時点で、再度IPアドレスを取得しようとDHCPリクエストを投げているようです。リース・ファイルの設定とリース時間を短くしすぎないように注意してください。 | 現在の(SIP 3.1系)挙動をみていると、DHCP時にはBootROMがまずDHCPリクエストでIPアドレスを取得し、アプリケーション(SIP)が起動した時点で、再度IPアドレスを取得しようとDHCPリクエストを投げているようです。リース・ファイルの設定とリース時間を短くしすぎないように注意してください。 | ||
− | + | ==Asterisk httpを使う== | |
+ | Asterisk 1.4からは組み込みのHTTPサーバが搭載されています。これを使うとHTTPをサポートする電話機に対しては、他にHTTPサーバ類を用意しなくとも電話機のプロビジョニングに使えます。<br> | ||
+ | まず以下の例のように /etc/asterisk/http.conf を書いていたとします。<br> | ||
+ | [general] | ||
+ | enabled=yes | ||
+ | enablestatic=yes | ||
+ | bindaddr=0.0.0.0 | ||
+ | bindport=8088 | ||
+ | prefix=asterisk | ||
+ | この場合、Asteriskは8088ポートで、全てのinetインタフェースでlistenして待ちます。<br> | ||
+ | この際の実ディレクトリは /var/lib/asterisk/static-http/ がLinux上となり、ここにアクセスするURIは http://asteriskのIPアドレス:8088/asterisk/static/ となります。 | ||
+ | Polycomプロビジョニング用に /var/lib/asterisk/static-http/polycom というディレクトリを作り、ここに設定ファイル類を置いたとします。この際、dhcpdの設定では以下のようにします。 | ||
+ | option tftp-server-name "http://asteriskのIPアドレス:8088/asterisk/static/polycom"; | ||
+ | これで、Asteriskだけを使ってプロビジョニングが行えます。 |
2010年3月14日 (日) 05:30時点における版
Polycomのプロビジョニング方法
目次
BootROM
Polycomの電話機はBootROMと呼ばれる部分と、アプリケーションと呼ばれる部分のふたつのソフトウェア・コンポーネントで動作しています。BootROMもアプリケーションも、いずれもフラッシュメモリで電話機本体に書き込まれます。
この状態はBootROMです。ここでSetuPキーを押すとブート時オプションを設定できます。
この状態になるとアプリケーションの実行が始まっています。
BootROMとアプリケーションのバージョンは関係します。アプリケーションのバージョンによっては必要となるBootROMのバージョンに制限がありますので、アップグレード時には注意します。
電話機本体、BootROMとアプリケーションの関係はここを参照してください。
http://downloads.polycom.com/voice/voip/sip_sw_releases_matrix.html
ファームウェア・アップグレード
Polycomはプロビジョニング/アップグレードにftp,tftp,http,httpsが使えます。どれが良いかは人それぞれ好みがあると思いますんで、自分で判断してください。
一番簡単なのはたぶんhttpだと思います。内向きのWebサーバを立ち上げるだけなら、ディストリ付属のでもかまわないので上げてしまうだけですから。
当たり前の話ですが外向きのWebサーバでやっちゃダメです!
- ファームウェアを入手したらHTTPでアクセス可能な場所に置きます。例えば/var/www/htmlとか。
- ファームはここから入手できます。
- http://www.polycom.com/support/voice/index.html
- 対応する電話機のものを落とします。BootROMも上げなければいけない場合にはセットで。
- BootROMが起動したら[SetuP]を押してメニューに入ります。
- デフォルトパスワードは 456
- DHCPなどネットワーク環境にあわせて設定をします。
- Server Menu:で
- Server Type: -> HTTP
- Server Address: -> Webサーバのアドレス
- 設定の変更は[Edit]を押してから行います。
- [Exit]を押してトップまで戻ります。
- Exit Option:まで戻ったら
- Save & Reboot を押して保存して再起動
以上で新しいファームウェアを落として書き込んで再起動します。現在のバージョンから新しいバージョンへの上がり方によっては何度か再起動を繰り返すことがあるので、途中で電源を切らないように注意してください。
DHCPを使ってサーバ情報を渡す場合には後の項目を参照してください。
プロビジョニングのシーケンス
プロビジョニングも同様にftp,tftp,http,httpdいずれかの方法で行えます。電話機側に手動でサーバ情報を設定する場合には、ファームウェアのアップグレードと同様に、BootROMのメニューからサーバ情報を設定します。
なお、SoundPointはログをサーバに対して上げようとします。ftpの場合にはftpでアップロードしますが、http/httpsの場合にはHTTP PUTを行います。
- プロビジョニングは以下のシーケンスで行われます。
- ファームウェアの更新チェック
- <MAC Address>.cfg (マスタ設定ファイル) 注:このファイルの使用は現在は推奨されません。
- 000000000000.cfg (デフォルトのマスタ設定ファイル)
- phone1.cfg (上のふたつのファイルに書いてある場合)
- sip.cfg (マスタSIP設定ファイル)
- <MAC Address>-phone.cfg (電話機個別設定ファイル) 注:電話機からのアップロードが有効な場合、このファイルはユーザが設定変更すると上書き保存されます。
- もし上のファイルが存在しなければ 000000000000-phone.cfg (電話機共通設定ファイル)
- <MAC Address>-license.cfg (電話機個ライセンスファイル)
- もし上のファイルが存在しなければ 000000000000-license.cfg (電話機共通ライセンスファイル)
- <MAC Address>-directory.cfg (電話機個別電話帳ファイル)
- もし上のファイルが存在しなければ 000000000000-directory.cfg (電話機共通電話帳ファイル)
- <MAC address>の部分は電話機のMACアドレスです。例えば 0004f21d9f83-phone.cfg のようなファイル名になります。
- ライセンスファイルは有償オプションを有効にするためのもののようです。Polycomは基本的な機能以外の追加機能は有償オプションにしたっぽいです。
ユーザ名とパスワード
FTP時などに使用されるユーザ名は PlcmSpIp で、パスワードも同じです。大文字小文字に注意してください。
このユーザ名とパスワードはBootROMメニューか、AdvancedのAdmin Settingsから変更できます。
設定ファイルの作り方
基本的には 000000000000-phone.cfgなど、MAC部がゼロのファイルがファームウェアといっしょに配布されていますので、これをテンプレートにして作成します。記述はXMLで、記述方法はかなり複雑です。
めんどくさい場合には次の手順で作成することもできます。
- ftpサーバをセットアップします
- Polycomの電話機がログインできるように。ftpでファイルのGETとPUTができればOK。
- とりあえず電話機を立ち上げます
- ブラウザか電話機のメニューで設定します。
- ブラウザから入る場合には http://電話機のIPアドレス
- デフォルトのユーザ名は Polycom、パスワードは 456 。
- セットアップしたら電話機を再起動します。
- メニューから再起動するように。電プチはダメです。
- 再起動すると設定情報がアップロードされるので、設定ファイルができています。
- これをテンプレートにして他の電話機用を作ると楽かも。
設定ファイルの書き方のドキュメントは以下にあります。
http://www.polycom.com/global/documents/support/setup_maintenance/products/voice/spip_ssip_Admin_Guide_SIP_3_1.pdf
読むのは大変ですが・・・。
設定ファイルとして最低限必要なのは <MAC Address>-phone.cfg ファイルだけです。SIPの設定などもこの中で行います。他のファイルとの関係がどうなっているかは上のシーケンス順にファイルの中身を見ていけばわかると思います。
また上記の方法で作成されたファイルとテンプレートをdiffしてみると、わかりやすいと思います。
DHCPサーバ
DHCPサーバからプロビジョニングサーバを指定する場合、dhcpd.confに以下のように記述します。
(当たり前ですが、そのままコピってはダメ)
subnet 192.168.100.0 netmask 255.255.255.0 { option broadcast-address 192.168.100.255; option routers 192.168.100.1; option time-offset 32400; option ntp-servers 192.168.100.1; option tftp-server-name "http://192.168.100.1"; range 192.168.100.10 192.168.100.50; }
tftp-server-nameオプションでプロビジョンサーバのURIを指定できます。FTPを使う場合には "ftp://user:passwd@192.168.100.1" のように書くことができます。ユーザ名、パスワードが指定されていない場合にはデフォルトのもの(BootROMの設定)が使われます。
現在の(SIP 3.1系)挙動をみていると、DHCP時にはBootROMがまずDHCPリクエストでIPアドレスを取得し、アプリケーション(SIP)が起動した時点で、再度IPアドレスを取得しようとDHCPリクエストを投げているようです。リース・ファイルの設定とリース時間を短くしすぎないように注意してください。
Asterisk httpを使う
Asterisk 1.4からは組み込みのHTTPサーバが搭載されています。これを使うとHTTPをサポートする電話機に対しては、他にHTTPサーバ類を用意しなくとも電話機のプロビジョニングに使えます。
まず以下の例のように /etc/asterisk/http.conf を書いていたとします。
[general] enabled=yes enablestatic=yes bindaddr=0.0.0.0 bindport=8088 prefix=asterisk
この場合、Asteriskは8088ポートで、全てのinetインタフェースでlistenして待ちます。
この際の実ディレクトリは /var/lib/asterisk/static-http/ がLinux上となり、ここにアクセスするURIは http://asteriskのIPアドレス:8088/asterisk/static/ となります。
Polycomプロビジョニング用に /var/lib/asterisk/static-http/polycom というディレクトリを作り、ここに設定ファイル類を置いたとします。この際、dhcpdの設定では以下のようにします。
option tftp-server-name "http://asteriskのIPアドレス:8088/asterisk/static/polycom";
これで、Asteriskだけを使ってプロビジョニングが行えます。