「Asterisk 16」の版間の差分
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2018年10月24日 (水) 16:54時点における版
Asterisk 16.0.0が2018年10月9日(現地時間)リリースされました。
- メンテナンス終了は2022年10月
- セキュリティフィックス提供終了は2023年10月
目次
概要
Asterisk 16は最新のAsteriskのメジャーリリースで、Asterisk 13同様にLTS(Long Term Support:通常4年)になります。
Asterisk 13からの変更点で重要なもの
- app_faxは廃止予定
- res_faxへ移行のこと
- app_macroは廃止予定
- デフォルトではapp_macroはコンパイルされない
- app_stack(Gosub)へ移行のこと → extension_Macro_To_Gosub
- AMI/ARIのイベントにいくつか変更あり
- libjanssonは2.11以上のバージョンが必要
- cdr_syslogは廃止予定
- デフォルトではコンパイルされない
- res_config_sqliteは廃止予定
- デフォルトではres_config_sqliteはコンパイルされない
- res_config_sqlite3に移行のこと
- res_monitorは廃止予定
- app_mixmonitorに移行のこと
- libeditは組み込みでは提供されなくなったのでOSのパッケージでインストールのこと
注意
将来的にSIPチャネルはPjSipが標準となる模様です。なるべくはやい時期にchan_sipからPjSipへの移行をお勧めします。Asterisk 16からはconfigureのオプションなしでもbundledでpjsipをダウンロードするようです。→ Asterisk pjsip
Macroが廃止予定にされているので注意が必要です。Macroを多用している場合には早い時期にGosub/Returnへの書き換えが必要です。
日本語音声の扱い
core sound packageでJAが使用可能ですが、Asterisk 16で変更された音声に対応しているかどうかは不明です。
インストール
前提となるパッケージ類
GCC、G++(GNU-C++)、OpenSSL、Ncurses、bison、カーネルソース(DAHDIを使う場合)、libxml2、SQLite3、libuuid-devel uuid-devel、json-c、json-c-devel
CentOS 7 minimalからインストールする場合、以下の手順でコンパイル環境を整えます。
Asterisk 16からlibeditがパッケージで必要となったため追加しておく必要があります。
開発環境系パッケージを一括インストールしておきます。
yum groupinstall "Development Libraries" "Additional Development"
パッケージを追加
yum install gcc gcc-c++ yum install libxml2 libxml2-devel openssl-devel ncurses-devel sqlite-devel newt-devel libuuid-devel uuid-devel libedit-devel yum install json-c json-c-devel
openssl-develをインストールするとkrb5-devel,zlib-develも一緒に付いて来るので別途インストールの必要はありません。
Asteriskは現在のバージョンではBerkley DBではなくSQLite3をDBとして使用しますので、SQLite3と開発環境が必要です。
newt-develがないとmenuselectがフルスクリーンコントロールになりません。テキストベースになります。
CentOSのminimalだと足りないツール類がいくつかあるので入れておきます。
yum install wget bzip2 patch
format_mp3など、一部のソースはAsteriskに含まれないため別途入手しますが、この際にSubversionが必要となりますので、Subversionも入れておきます。
yum install subversion
Asteriskは10以降でMySQLサポートが"非常に"制限されています。このためCDRをMySQLで管理するような場合にはODBCが必要となるため、AsteriskのODBCサポート(res_odbc)を有効にする場合には以下も必要です。
yum install unixODBC unixODBC-devel mysql-connector-odbc yum install libtool-ltdl libtool-ltdl-devel
システムを最新の状態にアップデート
yum update
カーネルが更新された場合にはリブートしておきます。
janssonのインストール
個別インストールせずbundledインストールが可能です。configureのオプションで指定してください。
./configure --with-jansson-bundled
Asteriskソースの入手
Asterisk 16のソースは以下からダウンロードできます。なお asterisk-16-current.tar.gz が最新バージョンへのシンボリックリンクとなっていますので、これをダウンロードすれば最新バージョンが入手できます。
http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/
展開するディレクトリはどこでもかまいませんが、ここでは/usr/src/とします。
# cd /usr/src # wget http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/asterisk-16-current.tar.gz
入手したら展開しておきます。展開すると現在のAsteriskのバージョンのディレクトリに展開されます。以降それぞれの作業は、それぞれの展開したサブディレクトリで行います。
# tar zxvf asterisk-16-current.tar.gz # cd asterisk-16.x.x
Asteriskのコンパイルとインストール
基本的にconfigureしてmakeするだけです。
# ./configure
- 16でjanssonをbundleインストールするには以下を実行します
# ./configure --with-jansson-bundled
日本語音声ファイルをインストールする場合には./configureの後 make menuselectを実行します。
# make menuselect
メニュー画面から Core Sound PackagesでCORE_SOUND-JA-....の必要なフォーマットのファイルを選択し、[Save & Exit]でmenuselectを終了します。
extenでMacro()を使用している場合、デフォルトではコンパイルされなくなったので注意してください。make menuselectでappのMacroを明示的にON指定してください(deprecatedの下にあります)。
あとはコンパイルとインストールを行うだけです。
# make # make install # make samples # make config
これで新規インストールは完了します。最後の make config で起動時に自動起動するようになります。
MP3を使用する場合の注意
MP3関連(MoHなど)を使用する場合には、MP3系のソースはAsterisk本体に含まれていないため、コンパイル時にエラーになりますが、ソース入手のスクリプトが付属しています。
# ./contrib/scripts/get_mp3_source.sh
これを実行すればMP3関連のモジュールがコンパイルできるようになります。
SIPチャネルとしてPjsipを使う場合
Asterisk 16からPjSIPはデフォルトでbundled扱いでダウンロード/コンパイルが行われます。このためconfigureを実行するだけでPjSIPも組み込まれます。
サンプル設定ファイル
ひかり電話ホームの使用
- chan_sipの今後のサポートが怪しいので、PjSIPを使ってください。
- pjsip ひかり電話HGWを参照してください。
- chan_sipをどうしても使いたい場合にはMACアドレス認証を使ってください。
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