「Asterisk 13」の版間の差分
(→SIPチャネルとしてPjsipを使う場合) |
|||
(2人の利用者による、間の22版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
+ | [[カテゴリ:Asterisk]] | ||
+ | [[カテゴリ:pjsip]] | ||
+ | |||
Asterisk 13.0.0が2014年10月24日(現地時間)リリースされました。<br> | Asterisk 13.0.0が2014年10月24日(現地時間)リリースされました。<br> | ||
+ | :メンテナンス終了は2020年10月 | ||
+ | :セキュリティフィックス提供終了は2021年10月 | ||
==概要== | ==概要== | ||
Asterisk 13は最新のAsteriskのメジャーリリースで、Asterisk 11同様にLTS(Long Term Support:通常4年)になります。Asterisk 13のEOLは2019年10月が予定されています。<br> | Asterisk 13は最新のAsteriskのメジャーリリースで、Asterisk 11同様にLTS(Long Term Support:通常4年)になります。Asterisk 13のEOLは2019年10月が予定されています。<br> | ||
5行目: | 10行目: | ||
Asterisk-addonsは1.8系以降ではAsterisk本体に統合されています。<br> | Asterisk-addonsは1.8系以降ではAsterisk本体に統合されています。<br> | ||
==日本語音声の扱い== | ==日本語音声の扱い== | ||
− | Asterisk | + | Asterisk 13からは日本語音声はAsterisk本体に統合されました。このため日本語対応パッチは不要となります。日本語実現の方法はコミュニティパッチと同じですが、統合された音声ファイルが本家からダウンロードできます。このため当VoIP-Info.jpによる日本語対応パッチおよび日本語音声ファイルの提供は13以降については行いません。 |
+ | |||
==インストール== | ==インストール== | ||
===前提となるパッケージ類=== | ===前提となるパッケージ類=== | ||
41行目: | 47行目: | ||
# make install | # make install | ||
<br> | <br> | ||
− | <br> | + | 以上でコンパイル/インストール環境は整ったはずです。<br> |
+ | 事前にDAHDIをインストールするために環境を整えた場合にはgcc-c++とopenssl-develの追加だけでコンパイル可能になるはずです。 | ||
+ | なおjanssonライブラリは通常 /usr/local/lib にインストールされます。このため ld.so を調整しておかないとAsteriskが共有ライブラリの読み込みに失敗して起動しません。<br> | ||
+ | CentOS等の場合には /etc/ld.so.conf を確認します。/usr/local/lib が参照されていない場合には以下のように修正します。 | ||
+ | include ld.so.conf.d/*.conf | ||
+ | /usr/local/lib | ||
+ | ファイルを修正した後、ldconfigを実行します。 | ||
− | + | ===Asteriskソースの入手=== | |
− | |||
− | === | ||
Asterisk 13のソースは以下からダウンロードできます。なお asterisk-13-current.tar.gz が最新バージョンへのシンボリックリンクとなっていますので、これをダウンロードすれば最新バージョンが入手できます。 | Asterisk 13のソースは以下からダウンロードできます。なお asterisk-13-current.tar.gz が最新バージョンへのシンボリックリンクとなっていますので、これをダウンロードすれば最新バージョンが入手できます。 | ||
http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/ | http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/ | ||
58行目: | 68行目: | ||
基本的にconfigureしてmakeするだけです。 | 基本的にconfigureしてmakeするだけです。 | ||
# ./configure | # ./configure | ||
+ | *13.8.x以降でpjsipを使いたい場合には以下を実行(別途インストールの必要なし) | ||
+ | # ./configure --with-pjproject-bundled | ||
+ | 日本語音声ファイルをインストールする場合には./configureの後 make menuselectを実行します。 | ||
+ | # make menuselect | ||
+ | メニュー画面から '''Core Sound Packages'''で'''CORE_SOUND-JA-....'''の必要なフォーマットのファイルを選択し、[Save & Exit]でmenuselectを終了します。あとはコンパイルとインストールを行うだけです。 | ||
# make | # make | ||
# make install | # make install | ||
63行目: | 78行目: | ||
# make config | # make config | ||
これで新規インストールは完了します。最後の make config で起動時に自動起動するようになります。<br> | これで新規インストールは完了します。最後の make config で起動時に自動起動するようになります。<br> | ||
− | + | 最低限のPBXとして動作させるには設定ファイルに[[Asterisk 13 サンプル設定ファイル]]を使用してみてください。<br> | |
+ | # cd /etc | ||
+ | # mv asterisk asterisk.bak | ||
+ | # mkdir asterisk | ||
+ | # cd asterisk | ||
+ | # wget https://voip-info.jp/downloads/asterisk/conf/conf-sample-13_0627.tar.gz | ||
+ | # tar zxvf conf-sample-13_current.tar.gz | ||
+ | |||
===MP3を使用する場合の注意=== | ===MP3を使用する場合の注意=== | ||
MP3関連(MoHなど)を使用する場合には、MP3系のソースはAsterisk本体に含まれていないため、コンパイル時にエラーになりますが、ソース入手のスクリプトが付属しています。 | MP3関連(MoHなど)を使用する場合には、MP3系のソースはAsterisk本体に含まれていないため、コンパイル時にエラーになりますが、ソース入手のスクリプトが付属しています。 | ||
# ./contrib/scripts/get_mp3_source.sh | # ./contrib/scripts/get_mp3_source.sh | ||
これを実行すればMP3関連のモジュールがコンパイルできるようになります。 | これを実行すればMP3関連のモジュールがコンパイルできるようになります。 | ||
+ | ===コールパーク使用上の注意=== | ||
+ | Asterisk 13では従来のスタイル(features.conf)で使用するパーキング設定は使えなくなっています。res_parking.confを使用してください。複数のパーキングロットを使用することができます。<br> | ||
+ | :https://wiki.asterisk.org/wiki/display/AST/Asterisk+12+Configuration_res_parking | ||
+ | |||
+ | ===SIPチャネルとしてPjsipを使う場合=== | ||
+ | 13.8.xより前のバージョンでは以下のページを参照<BR> | ||
+ | [[Asterisk 13 pjsip]] | ||
+ | |||
+ | ==サンプル設定ファイル== | ||
+ | Asterisk 13以降用にサンプルの設定ファイルを一新しました。<br> | ||
+ | :[[Asterisk 13 サンプル設定ファイル]] | ||
+ | |||
+ | ==ひかり電話ホームの使用== | ||
+ | [[ひかり電話HGWパッチ]] を参照してください。13から名前およびCLIコマンドを改めました。<br> | ||
+ | またpjsipならパッチなしで直接扱えます。 [[pjsip ひかり電話HGW]]を参照してください。 |
2018年6月23日 (土) 03:29時点における版
Asterisk 13.0.0が2014年10月24日(現地時間)リリースされました。
- メンテナンス終了は2020年10月
- セキュリティフィックス提供終了は2021年10月
目次
概要
Asterisk 13は最新のAsteriskのメジャーリリースで、Asterisk 11同様にLTS(Long Term Support:通常4年)になります。Asterisk 13のEOLは2019年10月が予定されています。
Asterisk-addonsは1.8系以降ではAsterisk本体に統合されています。
日本語音声の扱い
Asterisk 13からは日本語音声はAsterisk本体に統合されました。このため日本語対応パッチは不要となります。日本語実現の方法はコミュニティパッチと同じですが、統合された音声ファイルが本家からダウンロードできます。このため当VoIP-Info.jpによる日本語対応パッチおよび日本語音声ファイルの提供は13以降については行いません。
インストール
前提となるパッケージ類
GCC、G++(GNU-C++)、OpenSSL、Ncurses、bison、カーネルソース(zaptel)、libxml2、SQLite3、libuuid-devel uuid-devel、json-c、json-c-devel
CentOS 6.3 Basic Serverの場合、以下の手順でコンパイル環境を整えます。
開発環境系パッケージを一括インストールしておく。
yum groupinstall "Development Libraries" "Additional Development"
パッケージを追加
yum install gcc gcc-c++ yum install libxml2 libxml2-devel openssl-devel ncurses-devel sqlite-devel newt-devel libuuid-devel uuid-devel yum install json-c json-c-devel
openssl-develをインストールするとkrb5-devel,zlib-develも一緒に付いて来るので別途インストールの必要はありません。
Asteriskは現在のバージョンではBerkley DBではなくSQLite3をDBとして使用しますので、SQLite3と開発環境が必要です。
newt-develがないとmenuselectがフルスクリーンコントロールになりません。テキストベースになります。
format_mp3など、一部のソースはAsteriskに含まれないため別途入手しますが、この際にSubversionが必要となりますので、Subversionも入れておきます。
yum install subversion
Asteriskは10以降でMySQLサポートが"非常に"制限されています。このためCDRをMySQLで管理するような場合にはODBCが必要となるため、AsteriskのODBCサポート(res_odbc)を有効にする場合には以下も必要です。
yum install unixODBC unixODBC-devel mysql-connector-odbc yum install libtool-ltdl libtool-ltdl-devel
システムを最新の状態にアップデート
yum update
カーネルが更新された場合にはリブートしておきます。
janssonのインストール
Asterisk 12以降でlibjanssonが必要となっています。このため以下の手順で、Asteriskをインストールする前にインストールしておきます。
から最新のjanssonを入手
# tar zxvf jansson-2.7.tar.gz # cd jansson-2.7 # ./configure # make # make install
以上でコンパイル/インストール環境は整ったはずです。
事前にDAHDIをインストールするために環境を整えた場合にはgcc-c++とopenssl-develの追加だけでコンパイル可能になるはずです。
なおjanssonライブラリは通常 /usr/local/lib にインストールされます。このため ld.so を調整しておかないとAsteriskが共有ライブラリの読み込みに失敗して起動しません。
CentOS等の場合には /etc/ld.so.conf を確認します。/usr/local/lib が参照されていない場合には以下のように修正します。
include ld.so.conf.d/*.conf /usr/local/lib
ファイルを修正した後、ldconfigを実行します。
Asteriskソースの入手
Asterisk 13のソースは以下からダウンロードできます。なお asterisk-13-current.tar.gz が最新バージョンへのシンボリックリンクとなっていますので、これをダウンロードすれば最新バージョンが入手できます。
http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/
展開するディレクトリはどこでもかまいませんが、ここでは/usr/src/とします。
# cd /usr/src # wget http://downloads.asterisk.org/pub/telephony/asterisk/asterisk-13-current.tar.gz
入手したら展開しておきます。展開すると現在のAsteriskのバージョンのディレクトリに展開されます。以降それぞれの作業は、それぞれの展開したサブディレクトリで行います。
# tar zxvf asterisk-13-current.tar.gz # cd asterisk-13.x.x
Asteriskのコンパイルとインストール
基本的にconfigureしてmakeするだけです。
# ./configure
- 13.8.x以降でpjsipを使いたい場合には以下を実行(別途インストールの必要なし)
# ./configure --with-pjproject-bundled
日本語音声ファイルをインストールする場合には./configureの後 make menuselectを実行します。
# make menuselect
メニュー画面から Core Sound PackagesでCORE_SOUND-JA-....の必要なフォーマットのファイルを選択し、[Save & Exit]でmenuselectを終了します。あとはコンパイルとインストールを行うだけです。
# make # make install # make samples # make config
これで新規インストールは完了します。最後の make config で起動時に自動起動するようになります。
最低限のPBXとして動作させるには設定ファイルにAsterisk 13 サンプル設定ファイルを使用してみてください。
# cd /etc # mv asterisk asterisk.bak # mkdir asterisk # cd asterisk # wget https://voip-info.jp/downloads/asterisk/conf/conf-sample-13_0627.tar.gz # tar zxvf conf-sample-13_current.tar.gz
MP3を使用する場合の注意
MP3関連(MoHなど)を使用する場合には、MP3系のソースはAsterisk本体に含まれていないため、コンパイル時にエラーになりますが、ソース入手のスクリプトが付属しています。
# ./contrib/scripts/get_mp3_source.sh
これを実行すればMP3関連のモジュールがコンパイルできるようになります。
コールパーク使用上の注意
Asterisk 13では従来のスタイル(features.conf)で使用するパーキング設定は使えなくなっています。res_parking.confを使用してください。複数のパーキングロットを使用することができます。
SIPチャネルとしてPjsipを使う場合
13.8.xより前のバージョンでは以下のページを参照
Asterisk 13 pjsip
サンプル設定ファイル
Asterisk 13以降用にサンプルの設定ファイルを一新しました。
ひかり電話ホームの使用
ひかり電話HGWパッチ を参照してください。13から名前およびCLIコマンドを改めました。
またpjsipならパッチなしで直接扱えます。 pjsip ひかり電話HGWを参照してください。