SIPメッセージング

提供: VoIP-Info.jp
2024年10月30日 (水) 17:27時点におけるTakahashi (トーク | 投稿記録)による版 (メッセージ本体)
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SIPメッセージで電話機等でメッセージを交換する方法。ブラウザ等を使えばチャット用にも使える。要するにSMSみたいなもん。

Asteriskでの実装

Asteriskは音声通話のみならずSIPメッセージの『交換』にも使える。

SIP MESSAGE

MESSAGE sip:1000@192.168.254.234 SIP/2.0
Via: SIP/2.0/WSS 192.0.2.191;received=192.168.254.30;branch=z9hG4bK1314248
To: <sip:1000@192.168.254.234>
From: "TAKAHASHI,Takao" <sip:phone33@192.168.254.234>;tag=7m8l4i50nj
CSeq: 1 MESSAGE
Call-ID: glia153j7er66kd35o0s
Max-Forwards: 70
Supported: outbound
User-Agent: Browser Phone 0.3.27 (SIPJS - 0.20.0) Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/130.0.0.0 
Safari/537.36
Content-Type: text/plain
Content-Length: 7
Content-Type: text/plain
Content-Length:     7

hoge

SIPのMESSAGEによるメッセージ例。

チャネル

基本的にエンドポイント同士は通常のPJSIP/phone123のような形式で認識される。ただし接続した際のチャネルが異なり、音声パスではなく ast_message_queue となる。

${CHANNEL(name)} = Message/ast_msg_queue

SIPでメッセージを受け取ると上記のようなチャネル名となるので、これを判断することで音声通話ではなくSIPメッセージあると判断できる。

メッセージ本体

ファンクションMESSAGE()がメッセージ自体のハンドリングを行う。

MESSAGE(from) r/w

送信元

MESSAGE(to) r/w

送信先

MESSAGE(body) r/w

メッセージの実体

MESSAGE(custom_data) w/o

mark_all_outbound または clear_all_outbound を指定

応用

役に立つのか立たないのかわかりませんが、SIPメッセージで受信した内容に応じて処理する例。ブラウザフォン等のメッセージでの問い合わせに応答させる例。

内線として実装する

まず、この応答処理を内線として定義します。音声で呼ばれた場合は応答して切りますが、自分宛てのSIPメッセージだった場合にはメッセージ処理へ飛びます。

exten => 1000,1,NoOp
exten => 1000,n,Set(MTARGET=${EXTEN})
exten => 1000,n,GotoIf($["${CHANNEL(name)}"="Message/ast_msg_queue"]?msgdispatch,s,1)
exten => 1000,n,Answer
exten => 1000,n,Morsecode(S)
exten => 1000,n,Hangup

メッセージ処理

メッセージ本体(body)の最初の項目をサービス名、残りを引数と解釈するディスパッチャを用意します。あわせてメッセージの打ち返し先も組み立てておきます。各サービスからの返値は変数、RETVに入っているものとします。

[msgdispatch]
;サービス毎に分岐させ返値を送り返す
exten => s,1,NoOp
;送り先(戻し先)をfromから取得
exten => s,n,Set(SBACK=${CUT(MESSAGE(from),@,1)})
exten => s,n,Set(SBACK=${CUT(SBACK,:,2)})
;ドメインを送り元から取得
exten => s,n,Set(SDOM=${CUT(MESSAGE(from),@,2)})
exten => s,n,Set(SDOM=${CUT(SDOM,>,1)})
;メッセージ本体の頭の部分をサービス名として取得
exten => s,n,Set(SVC=${CUT(MESSAGE(body), ,1)})
exten => s,n,Set(SVC=${TOLOWER(${SVC})})
;サービスに渡す内容はスペースの後ろ
exten => s,n,Set(CONTENT=${CUT(MESSAGE(body), ,2-)})
;サービスに応じてサブルーチンコール
exten => s,n,Gosub(sub-msg-${SVC},s,1)
;返値をメッセージの本体にする
exten => s,n,Set(MESSAGE(body)=${RETV})
;メッセージを打ち返す
exten => s,n,MessageSend(pjsip:${SBACK},${MTARGET},sip:${SBACK}@${SDOM})
exten => s,n,Hangup

各サービス処理

各サービスは sub-msg-サービス名 というかたちでコールされるので必要な処理を用意します。
以下の例ではAsteriskのMATH()、コマンドのuptimeとexprを定義しています。

[sub-msg-math]
exten => s,1,NoOp(MATH)
exten => s,n,Set(RETV=${MATH(${CONTENT},int)})
exten => s,n,Return

[sub-msg-uptime]
exten => s,1,NoOp(UPTIME)
exten => s,n,Set(RETV=${SHELL(uptime)})
exten => s,n,Return

[sub-msg-expr]
exten => s,1,NoOp(EXPR)
exten => s,n,Set(RETV=${SHELL(expr ${CONTENT})})
exten => s,n,Return