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ip-tos.txtを 意訳
asterisk-1.4.23.1のソースに添付されているip-tos.txtを<BR>
意訳したものです。
==TOS(トス Type of Service)について==
Asteriskは、様々なプロトコルの内容に応じて、パケットの扱いに差をつけることができます。<BR>
トラフィックの負荷が高い時でも、IPパケット中のTOSフィールドを設定することにより、<BR>
音声用のパケットを優先して送信することができます。
==SIP==
sip.conf中には3つのパラメータがあり、これらの値がTOSフィールドを制御しています。
===tos_sip===
tos_sipパラメータは、SIPのシグナリング(発着呼)パケットを制御しています。
===tos_audio===
tos_audioパラメータは、音声(RTP)パケットを制御しています。
===tos_video===
tos_videoパラメータは、RTPビデオパケットを制御しています。
==IAX2==
iax.confに記述する"tos"パラメータは、IAXパケット(音声パケット、発着呼全て)の優先順位を決めるパラメータとなります。<BR>
IAXパケットの中には、発着呼制御パケットと音声パケットが同一のUDPトラフィックとして流れているため、<BR>
それぞれを別個に扱う事ができないからです。
==IAXy==
iaxprov.confには、[[Digium_IAXy|IAXy]]用の"tos"パラメータがあります。<BR>
このパラメータも、前述のiax.conf用の"tos"パラメータと同様、IAXy機器一個全体(IAXyとやりとりするパケット全体)に効果が及びます。<BR>
ただし、IAXy機材別に違うToS値を設定することが出来ます。
==設定可能な値==
tosパラメータとしてnumeric型(数値)を指定します。<BR>
下記の値を設定することが出来ます。
*CS0 ~ CS7
*AF11 AF12 AF13
*AF21 AF22 AF23
*AF31 AF32 AF33
*AF41 AF42 AF43
*EF(Expedited Forwarding)
==推奨設定==
{| border="1" cellspacing="0"
|- style="background:#efefef;"
!設定<BR>ファイル!!パラメータ!!推奨値
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | sip.conf
| tos_sip || cs3
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | sip.conf
| tos_audio || ef
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | sip.conf
| tos_video || af41
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | iax.conf
| tos || ef
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | iaxprov.conf
| tos || ef
|}
==非推奨設定==
推奨されませんが、下記のような設定も可能です。
*lowdelay
*throughput
*reliability
*mincost
*none
これらの値はRFC 791および RFC 1349にて規定されている値ですが、<BR>
IPパケットの優先順位を決める値としては時代遅れとなっており、<BR>
今後のAsteriskのバージョンでは削除されるでしょう。
==Asteriskとネットワークについて==
Asteriskサーバーで設定したTOSパラメータを最大限に活かすには、ルーターやスイッチ等でも確実にToSやoSを扱えるようにするべきでしょう。<BR>
Cisco製ネットワーク機器の設定については、[https://www.cisco.com/en/US/docs/solutions/Enterprise/WAN_and_MAN/QoS_SRND/Enterprise_QoS_SRND.pdf|Enterprise QoS Solution Reference Network Design Guide]を参考にしてください。<BR>
YAMAHAルーターの場合は[http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/qos/diffserv_qos.html DiffServベースQoS]ページが参考になります。
==参考資料==
;[http://www5d.biglobe.ne.jp/~stssk/rfc/rfc2474j.html RFC 2474]:IPv4,IPv6でのDSフィールドの定義
;[http://www.iana.org/assignments/dscp-registry/ Differentiated Services Field Codepoints]:IANAが定めたDSCP値に関する文書
意訳したものです。
==TOS(トス Type of Service)について==
Asteriskは、様々なプロトコルの内容に応じて、パケットの扱いに差をつけることができます。<BR>
トラフィックの負荷が高い時でも、IPパケット中のTOSフィールドを設定することにより、<BR>
音声用のパケットを優先して送信することができます。
==SIP==
sip.conf中には3つのパラメータがあり、これらの値がTOSフィールドを制御しています。
===tos_sip===
tos_sipパラメータは、SIPのシグナリング(発着呼)パケットを制御しています。
===tos_audio===
tos_audioパラメータは、音声(RTP)パケットを制御しています。
===tos_video===
tos_videoパラメータは、RTPビデオパケットを制御しています。
==IAX2==
iax.confに記述する"tos"パラメータは、IAXパケット(音声パケット、発着呼全て)の優先順位を決めるパラメータとなります。<BR>
IAXパケットの中には、発着呼制御パケットと音声パケットが同一のUDPトラフィックとして流れているため、<BR>
それぞれを別個に扱う事ができないからです。
==IAXy==
iaxprov.confには、[[Digium_IAXy|IAXy]]用の"tos"パラメータがあります。<BR>
このパラメータも、前述のiax.conf用の"tos"パラメータと同様、IAXy機器一個全体(IAXyとやりとりするパケット全体)に効果が及びます。<BR>
ただし、IAXy機材別に違うToS値を設定することが出来ます。
==設定可能な値==
tosパラメータとしてnumeric型(数値)を指定します。<BR>
下記の値を設定することが出来ます。
*CS0 ~ CS7
*AF11 AF12 AF13
*AF21 AF22 AF23
*AF31 AF32 AF33
*AF41 AF42 AF43
*EF(Expedited Forwarding)
==推奨設定==
{| border="1" cellspacing="0"
|- style="background:#efefef;"
!設定<BR>ファイル!!パラメータ!!推奨値
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | sip.conf
| tos_sip || cs3
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | sip.conf
| tos_audio || ef
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | sip.conf
| tos_video || af41
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | iax.conf
| tos || ef
|- style="text-ali|- style="text-align: center;"
!style="font-weight:bold;" | iaxprov.conf
| tos || ef
|}
==非推奨設定==
推奨されませんが、下記のような設定も可能です。
*lowdelay
*throughput
*reliability
*mincost
*none
これらの値はRFC 791および RFC 1349にて規定されている値ですが、<BR>
IPパケットの優先順位を決める値としては時代遅れとなっており、<BR>
今後のAsteriskのバージョンでは削除されるでしょう。
==Asteriskとネットワークについて==
Asteriskサーバーで設定したTOSパラメータを最大限に活かすには、ルーターやスイッチ等でも確実にToSやoSを扱えるようにするべきでしょう。<BR>
Cisco製ネットワーク機器の設定については、[https://www.cisco.com/en/US/docs/solutions/Enterprise/WAN_and_MAN/QoS_SRND/Enterprise_QoS_SRND.pdf|Enterprise QoS Solution Reference Network Design Guide]を参考にしてください。<BR>
YAMAHAルーターの場合は[http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/qos/diffserv_qos.html DiffServベースQoS]ページが参考になります。
==参考資料==
;[http://www5d.biglobe.ne.jp/~stssk/rfc/rfc2474j.html RFC 2474]:IPv4,IPv6でのDSフィールドの定義
;[http://www.iana.org/assignments/dscp-registry/ Differentiated Services Field Codepoints]:IANAが定めたDSCP値に関する文書