Fax for Asterisk

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Fax for Asterisk
Digium純正のAsterisk用FAXチャネル。

http://www.digium.com/en/products/software/faxforasterisk.php

価格: Digium オンラインショップで $39/チャネル。ただし1chは無料。

注意:サポートされるのはAsterisk 12まで。Asterisk 13以降はspandspとres_fax_spandspを使用するようにとのこと。

要件

Asterisk 1.4
Asterisk 1.6.(0,1,2)
Asterisk 1.8
Asterisk 10
Asterisk 11
Asterisk 12

Asterisk 1.8.4以降はそれまでのモジュールは使えないので、1.8.4以降用のモジュールをインストールしてください。Asterisk本体を1.8.4以前のバージョンからアップグレードする場合には要注意です。

購入

エンドユーザの場合には、Digiumのオンラインショップで購入します。

http://store.digium.com/

購入すると、ダウンロードURLと登録キーが送られてきます。1chのみならば無料なので無料版を利用する場合には、無料版を「購入」します。価格は$0なので、そのままチェックアウトすればライセンスキーが送られてきますので、そのキーを使って登録します。
なお、Digiumの他のチャネル系プロダクトと同様に、このチャネル数は回線数ではなく同一のAsterisk内で同時に使用するチャネル数のことです。

インストール

プロダクトの登録

まず、登録用のソフトregisterをダウンロードします。登録は使用するマシンのNICに基づいて行われるため、使用するAsteriskをインストールしたマシン上で行います。Linuxの場合には、wgetなどで入手するかと思いますが、その際にはchmod +x registerして./registerを実行してください。この時に、購入時に送られてきたキーが必要となります。
Digiumの他のプロダクトもそうですが、ライセンスキーは /var/lib/asterisk/licenses/ に保存されます。このファイルは

F4A-xxxxxxxxxxxx.lic

のようなファイル名で、F4Aがプロダクト(Fax4Asterisk)です。
このファイルは大切なライセンスファイルなので、バックアップしておくことをお勧めします。

インストール

まず最初にベンチマーク・ソフトをダウンロードし実行します。これにより、そのシステムに最適な選択肢が表示されますので、結果にしたがって本体のダウンロードを行います。
ドキュメントを注意深く読み、必要なモジュールをダウンロードします。32/64bit版の他、CPUのアーキテクチャによってもモジュールが異なるので注意してください。一般的にはres_fax.soかres_fax_digium.soのどちらかのファイル名になります。バイナリ配布ですので32/64bit版またはアーキテクチャを間違えると正しく動作しないので注意してください。
インストールは基本的にこのモジュールを/usr/lib/asterisk/modulesへコピーするだけです。
コピーしたならばAsteriskを再起動するか、module load res_fax.so(またはres_fax_digium.so)を実行することでFAXが使用可能になります。

エラーが出る場合の対処

loader.c: Error loading module 'res_fax_digium.so': /usr/lib/asterisk/modules/res_fax_digium.so: undefined symbol: ast_fax_tech_register

このエラーが出て、FAXモジュールが起動できない場合には、モジュールをインストールした後に、make clean、make でコンパイルしなおすとなおります。

使用例

受信したFAXをメールで送る

Fax for Asteriskは基本的にSendFAX()とReceiveFAX()のアプリケーションが提供されるだけなので、あとはexten内で記述します。ここではAsteriskでFAXを受信し、そのFAXをメールで送る例を記述してみます。
受信したFAXはTIFFで保存されますので、これをPDF化してメールで送付するスクリプトを記述します。

  • 受信処理

ひかり電話ホーム(RT-200NEの場合)で、複数番号を契約しており、FAX番号を専用で持っている場合には着信番号別に処理を分岐します。

[hikari-in]

exten => s,1,Set(DESTNUM=${SIP_HEADER(To)})
exten => s,n,NoOp(${DESTNUM})
exten => s,n,Set(DESTNUM=${DESTNUM:1:10})
exten => s,n,NoOp(${DESTNUM})
exten => s,n,Goto(${DESTNUM},1)

exten => _03xxxxyyya,1,Dial(SIP/201)  <--音声の着信の場合普通にSIP端末を呼びます

exten => _03xxxxyyyb,1,Goto(faxrec,receive,1)  <--FAXの着信の場合受信処理に飛びます

受信処理は以下のようなコンテキストを記述します

[faxrec]
exten => receive,1,NoOp(**** SETTING FAXOPT ****)
exten => receive,n,Set(FAXOPT(ecm)=yes)
exten => receive,n,Set(FAXOPT(headerinfo)=NAME HERE)
exten => receive,n,Set(FAXOPT(localstationid)=813xxxxyyyb)
exten => receive,n,Set(FAXOPT(maxrate)=14400)
exten => receive,n,Set(FAXOPT(minrate)=2400)
exten => receive,n,Set(FAXFILE=${EPOCH}.tif)                         <--ファイル名はUNIXTIME
exten => receive,n,NoOp(**** RECEIVING FAX : ${FAXFILE} ****)
exten => receive,n,ReceiveFAX(/var/spool/asterisk/faxin/${FAXFILE})  <--受信処理

exten => h,1,System(/var/lib/asterisk/fax2mail.sh ${FAXFILE})        <--FAXをメールにするスクリプト
exten => h,n,Hangup

シェルスクリプトは以下のように記述します

#!/bin/sh

SENDTO="someone@somedomain.tld"
FROMADDR="asterisk@somedomain.tld"
DATE=`date`
SUBJECT="Fax recieved at $DATE"
SENDMAIL="sendmail -t"

FAXDIR=/var/spool/asterisk/faxin
PDFDIR=/var/spool/asterisk/faxpdf
UUE=uuencode
TIF=$FAXDIR/$1
PDF=`echo $1|sed s/\.tif/\.pdf/`
PDF=$PDFDIR/$PDF
TMP=`echo $1|sed s/\.tif/\.tmp/`
TMP=$FAXDIR/$TMP 

if [ -f $TIF ] ; then
  #Convert tif to pdf
  tiff2pdf -o$PDF $TIF

  #build envelop
  echo "From: $FROMADDR" > $TMP
  echo "To: $SENDTO" >> $TMP
  echo "Subject: $SUBJECT" >> $TMP
  echo "" >> $TMP

  #Encode pdf and send it to recipent
  uuencode $PDF < $PDF >> $TMP
  cat $TMP | $SENDMAIL

  rm -f $TMP
else
  exit
fi

このような感じで処理すればFAX(TIFF)をPDF化してメールで送ることができます。

FAXを送る

FAX送信はDigiumのPDFマニュアルに従って、extensions.confに[fax-tx]のコンテクストを作って、以下のようなコマンドをCLIで打てば予め作っておいたTIFFファイルを送信できます。

CLI> originate DAHDI/4/03xxxxxxx extension send@fax-tx